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交合の表現

2016年2月11日 - 縄文土器 交合(種まき)の表現
交合の表現

 彼らは、交合(性交)することは、畑に作物の種をまくことと同じだと考えていました。なぜかというと、農耕と生命の存続は直結していたからです。
 交合の結果妊娠し、無事に出産できても、その子を育てられるかどうか収穫によって決まったはずです。種まきなしに収穫も存在し得ない、つまり種まきは命を左右するという側面においても受胎行為と同様なのです。
 また交合なしに子孫も生まれませんから、世代交代と種まきの継続、ひいては畑の継承を左右する大事な行為と考えられていました。種まきと収穫、交合と出産という再生産サイクルを土器に表現し、自分たちが生きている世代だけではなく、それが次世代へと受け継がれることを重要視していたのです。
 1つの住居跡から、古い様式から新しい様式まで複数の土器が同時に見つかる場合がありますが、彼らは何世代にもわたってその考えを土器の模様や造形と口承を使って受け継いだのです。もちろん生活を支えるための畑も受け継いできたはずです。
仮に20年間で1世代が交代するとして1000年間の約50世代にわたって、そういう生活
が文化とともに受け継がれていたと考えられます。

 交合の表現は、男性要素の記号と女性要素の記号を近接させて配置します。

男性要素の記号とは、「蛇」「男性器」。

女性要素の記号とは「フクロウ」「女性器」「玉抱三叉文」「渦巻三叉文」「区画文」です。

この2種類の記号を組み合わせることによって交合の表現が生まれます。

横向きの玉抱三叉文を取り囲むように蛇体文を配置した例

玉抱三叉文を使っているので交合と出産という意味です。

種まきと収穫という意味も表しています。

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蛇頭部が欠けてしまっていますが、上の例と同じく縦の玉抱三叉文に寄り添うように配置されている蛇体文。

これも交合と種まきと出産という意味です。

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双環文と、その上に配置されたとぐろを巻く蛇体文。

畑を守る役割のフクロウ(女性)と蛇(男性)による典型的な交合の表現です。

交合を表していると同時に種まきも表しています。 

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これもおなじく双環文の上に配置される蛇体文です。

交合を表していると同時に種まきを表しています。 

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これも双環文の上に蛇体文が配置されています。

蛇体文の尾の部分を女性器の表現とオーバーラップさせています。 

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横から見ると蛇体文に囲まれるように渦巻き三叉文が。

交合(種まき)と出産(収穫)に妊娠(生育、成長)を組み込んでいます。

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蛇体文(男性)と双環文(フクロウ、女性)をオーバーラップさせています。

小さい円文が並んでいますが、マムシの胴体の銭型模様を抽象化しています。

少し欠けてしまっていますが、首のところは男性器の亀頭部分とオーバーラップさせています。

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この双環文を反対側から見ると、女性器の形状になっています。

これも交合(種まき)と出産(収穫)を表していることになります。

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