縄文土器の文様は絵文字である.
それを解読すると古代の謎を解くことができる.

冒険に憧れた幼少時代、古代エジプトの象形文字を解読し、ピラミッドから王の棺と金銀の財宝を発見することを夢見たことがある。

縄文土器の文様が解読できるならば、私たちは10,000年という遙かな時の壁を越えて縄文時代にタイムスリップできるはずである。

変わりつつある縄文時代の認識

我々日本人は どこから来て どこへ行こうとしているのであろうか。

縄文時代とは今から約12,000年前から約2,500年前の約10,000年間である。「時代」と名のつく歴史の中で、これほど長い時間を、一つの「時代」として定義しているのは世界でも極めて珍しい。
  従来、教科書をはじめとする書籍の歴史認識は、「原始的で未開な人々が暮らしていた時代」が大半であったが、近年そのような考え方を改めざるをえない発見が相次いでいる。

巨大な木造構築物、漆製品、舟、パン状食物、稲・穀物の痕跡の数々...「縄文人」が組織的かつ統率のとれた労働を行い、高度な品質管理の技術を次世代に継承し、一部では列島以外の島々までも自由に行き来するほどの高度な航海技術を持っていたことがわかってきた。 

日本人のルーツ

縄文時代についてのDNA研究の成果もめざましい。現代の日本人は単一な集団ではなく、中国大陸や朝鮮半島の人々とDNA的にも深いつながりをもっていて、さらに一つの集団と思われてきた縄文時代の人々も多様な民族集団だったことが明らかになりつつある。また10,000年間の気候や風土の変化にしたがって、日本列島を移動していた可能性も浮かび上がっている。

『日本人のルーツ』 それはよく使われる言葉だが、一言ではとうてい語り尽くせない多彩な民族が日本列島に存在していたようだ。

縄文文様解読は、それらの多彩な集団の人々が土器に刻み込んだメッセージを再生する。 そして私たちは『日本人の心のルーツ』を知ることができる。