なぜこんなものが作られたのか?

 

 今から約5500年前、中部・関東地方を中心とする地域で勝坂式(貉沢、新道、藤内、井戸尻式)と呼ばれる縄文土器や土偶が大量に作られました。
 この模様や形は何を表しているのでしょうか。なぜ、縄文人はこんなものを作ったのでしょうか。見れば見るほど謎は深まるばかりです。


 このサイトでは、この模様や形はマークのような記号だと考えています。そして、記号の意味と組み合わせが分かれば、土器や土偶の意味が読めると考えています。

 土器や土偶に使われている記号は、大きく分けて男性と女性の2種類です。そして2種類の記号は、さらに省略された記号とリアルな形の記号に分けられます。

  • 男性記号(省略された記号 リアルな形の記号)

  • 女性記号(省略された記号 リアルな形の記号)

 この4種類の記号の組み合わせによって、縄文人は次のことを土器や土偶に表していました。

  • 男女が愛し合うこと

  • 無事に出産すること

  • 種をまくこと

  • 作物を収穫すること

 土器や土偶は複雑で奇妙な形をしていますが、記号としてみると、現代の私たちでも理解できる意味を表しています。

どうやって土器や土偶の意味を読むのか?

 それではどうやって土器や土偶から意味を読み取るのでしょうか。

 一般的に考古学では縄文土器を型式というもので考えます。様々な土器の形や模様を比較し、資料の積み重ねによって、作られた年代の前後関係を明らかにします。そして、その前後関係を手がかりにして人の動きや流通の変化を推測します。

 このような一般的な考古学の方法では、土器や土偶の個別の意味はそれほど重要視されません。


 このサイトでは型式ではなく、土器や土偶に共通する、もしくは関連する模様や造形を重要視します。そして、下記のプロセスを繰り返して、それらが記号と呼べる役割を持っているのか考えます。

  1. 共通性の高い模様や造形の意味を仮説的に設定する。
  2. 意味を裏づける模様や造形の組み合わせを探す。
  3. さらに別の組み合わせでも意味が通じるか考える。

 模様や造形が意味を持った記号であることが分かれば、様々な土器や土偶にあてはめることで意味が読み取れるはずです。


 このサイトでは、このような方法で既にいくつかの模様や造形について意味を特定しています。まだ、すべての土器や土偶の意味が簡単に読めるというレベルではありませんが、記号の意味と組み合わせを応用すれば、部分的もしくは大部分の意味が理解できると考えています。

考古館を訪れる方へ

 このサイトでは土器や土偶に記号が使われていると考えていますが、土器や土偶を収蔵している各考古館もそう考えているとは限りません。
 また、発掘を行い、遺物を記録・管理し、土器の復元をはじめ様々な行事・展示を担っているのは各考古館の学芸員の方々です。その見解こそがまさに傾聴に値するものであるはずです。
 このサイトの立場は、縄文土器や土偶を見るときに、このような視点もあるという仮説的推論の提起です。その点を柔軟に捉えていただきますようお願いします。
 また、ご紹介させていただいている土器の画像については、このサイトの運営者が撮影し、非営利の本サイトでのみ使用するものです。2次利用は禁止とします。よろしくお願いいたします。

投稿日:2016年1月11日 更新日:

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